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トロワパンの事 part⑧ 2024・11・3

昨日は一日中の大雨。
夕べは川の水が増水ですごいことになっていた。
結構な量も雨が降ったんだろう。
やはり、宍粟市に限らないが、針葉樹が山の面積の大多数を占めている。

針葉樹は年中葉がついているので落ち葉がない。
ということは、木の生えている地面に葉が落ちないので、土になる素材がなく地面が痩せている。
ということは皆さんお気づきだろうか?

紅葉樹の場合、秋になれば紅葉をして、冬になれば葉が枯れ落ち葉になる。
その落ち葉が、土に還りフカフカの土を作り出す。

そのフカフカの土が保水力の多い山を作り出すのだが、
宍粟市の山で言うと、市の面積の90%以上が針葉樹の植林の山なので、
保水力のない脆弱な山が景色を作っている。

保水力のない山なので、一気に川へと水が流れ出てしまうのだ。

私は人生の最終の目標を立てている。
それは、地元の山を健全な山へと戻すことだ。

紅葉樹と針葉樹の木をバランスよく育て、
保水力を持った山にし、保水力を持った山で濾過された水が川へと流れ出し、
そのミネラルたっぷりの川の水が田んぼの米を育てるという流れを作りたいと思っている。

山の健全化をすれば、田んぼも潤い、災害のない安心して住めるふるさとになるのではないかと思っている。

さて、昨日の続き。
ようやくパン屋の修行の許しを得て、修行当日になった。
パン屋には、私がお目当てにしていた、憧れの薪窯がある。
年季の入った窯だ。聞くと、これはオーナーであるローランドが十数年前に作ったものだそうだ。


パン屋には、パン焼きの職人が3人居るとお伝えしたが、
一人はアナというイタリア人女性。
あと、もう一人が当日一緒に仕事をすることになった、ガビンだ。

彼はフランスはトゥールーズの南東に位置する街、カルカッソンヌ出身の男だ。
彼は陽気でガンガンにロックミュージックをかけてパンを焼いている。
そして、よく歌っている。

修行が始まったわけだが、日本から二台の翻訳機を持参した、
ウチ、一台の翻訳機はポンコツで、もう一台の優秀な方の翻訳機を駆使しコミュニケーションをした。
しかし、優秀な翻訳機もこの後一週間くらいで壊れるのであった。機械に粉が入り壊れたのだと思う。
そして、それからの修行時は携帯の翻訳アプリでコミュニケーションをすることとなる。

パンの焼く量で出勤時間が違うのだが、初日の出勤は4時だった。
朝4時に始まり、先ずは、ピザをフォカッチャとフランス伝統のパンであるフガスを焼くのがパン屋のお決まりだった。

私は日本でパンを焼いた経験も全くなく、フランスのパン屋に飛び込んだ。
なので、もちろん勝手はわからない。
もちろん何もできないので、ガビンの後ろをついて回って、
何もなければ掃除をしたり、ガビンの行動を見ながら手伝うことはないかと、気を配りながら時間を過ごした。
大工の修行時代も、最初はやることが全くわからず、掃除をしたり、親方の後をついてまわる日々が続いていた。
一人前の大工になってから、こんなことはもうないだろうと思っていたが、
まさか、フランスのパン屋で大工の修行時代のような見習いの経験をするとは、なんとも不思議な気分だった。

幸い、ガビンは私に色々と作業を優しく教えてくれた。

記念すべきパン屋初日。私は何もできないので、パン屋への貢献はできなかったし、
勝手も全く分からなかった。わけもわからないまま一日を終えた感覚だった。
少しの簡単な作業はさせて頂き、トラブルもなくパン屋の一日目を無事に終えることができた。

さて、今日のブログはここまでにして、飯を炊きに行こう。

では良い休日をお過ごしください。
Passez de bonnes vacances.


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