区切り　2024・11・17

11月にしては暖かなここ宍粟市の朝。

ちょこちょこした仕事の段取りがあり、段取りが落ち着いてきて、
心に少しの余裕ができてきた。

ヨーロッパから帰国して、ちょうど２ヶ月が過ぎた。
日本を２ヶ月間留守にしていたので、溜まりに溜まった仕事を、
ようやく２ヶ月かけて片付けた感覚だ。

やはり、忙し過ぎは良くない。時間に追われていて気持ちに余裕がなく、
心を亡くし身の回りへの気配りも適当になり、良いアイデアも浮かんでこない。

まだまだ、やる仕事は山積しているが、
私を頼ってくれる方が多くいるということはとてもありがたく、
励みにもなる。

さて、私が大工を始めて29年が経った。
数字を見てみるとものすごい時間を費やしてきたんだなと感じる。

一言で29年と言っても、ここ近年の内容の充実感は高い。
在来工法から伝統構法の壁を駆け上がり始めたのが、15年前くらいだろうか。
12年くらい前から、完全に伝統構法建築の仕事に染まり、
伝統構法の細部のところまで、フォーカスし深いところまで潜ってきた感覚だ。

深くフォーカスした伝統構法には、自分なりの解釈の真髄にたどり着いた。
完全ではないが、真髄を悟り、やり切った達成感は十分にある。

真髄にたどり着いた伝統構法から、ここ近年、物事を俯瞰できる術を身につけた。

以前から言っているが、そろそろ大工は辞めよう。
春までの大きな仕事は抱えているが、その後に大きな仕事を請ける気はあまりなく、
今後、自分が進む方向のことをやっていくつもりだ。

これまで自分の糧にしていたものに区切りをつけるのは、正直怖いところはあるが、
区切りをつけないと、中途半端な気持ちでは次には進めない。

まだ、正直、具体的な計画はまだできていないが、
こうして、ブログを通して自分の気持ちをアウトプットすることで、
自分の気持ちを整理しながら、今後は具体的な行動に移していく予定だ。

さて、今日は日曜日だが以前から親交のある、とある日本在住のフランス人の御方のお宅に煙突掃除に伺う。

久しぶりの再会なので楽しみである。

では、皆さん、良い休日をお過ごしください。