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執着 2024・12・7

今日は二十四節気の一つ大雪(たいせつ)。
大雪は文字通り大きな雪を意味し、本格的な冬が到来し、山間部や北国で大雪が降り積もる時期を指す。

私の事務所兼用の家は、セントラルヒーティングのおかげで暖かいが、
嫁さんと子供と暮らしている家は、大きな賃貸の家だ。
昔の入母屋田の字の家なので、隙間風が多くとても寒い。
昔ながらの灯油ストーブが活躍しているが、その部屋しか効かないので、
普段より一枚着込むことでやり過ごそうとしている。

さて、弊社の会社の業態は大きく分けて建築と薪ストーブ・パン・農業に分けられる。
春からは4年間くらい勤めた職人さんが独立するので私一人になる。
ここ5、6年一人の時間がなかったので、
正直なところ春からの事業どのように回すかがはっきりと見えていないので不安な部分もある。

一人になることで、何かを手放さないといけない。
手放すといっても、会社の事業資金の借金返済もあるので、良い塩梅に手放さないといけない。
薪ストーブ事業はもう受け付けていないので、あとは今の主である建築の事業を少しづつ縮小させ、
別のものにウエートをシフトしていくつもりだ。

さて、手放すと言えば、
人というのは、何らかの執着を持ち生きている。
私の場合、やはり心の底に建築に執着があるようだ。

私はこれまでの道を無我夢中で通ってきた。
自分ではその道を苦労とは思わないが。
あとから考えると、もう一度繰り返したくないほど大変だった。
無我夢中で考え、苦しみながら今の仕事の方法や考え方にたどり着いた。

その自分が編み出した方法を、次の世代に引き継ぎたいと思っていて、
4年前に伝統構法のやり方を学びたいと若い大工が門を叩いた。
彼は私のこれまでやった仕事の写真などを見、私の助言も聞きながら仕事を覚えていった。
彼には私の全てを教えたつもりだ。
その彼がこの春に独立するのだが、嬉しい反面、
私からすれば、私の知識や思想、全てをさらけ出し教えたつもりなので、
そのリスクと私のこれまでの時間の積み重ねを注ぎ込んだので見返りが欲しかった。

という、執着があることに気がついた。

では、その見返りというのは何なんだろう。
自分の心を深く掘ると、それはモノやお金ではなく、心だということに行きあたる。
もちろん彼は感謝をしているのはわかっているし、今でも頑張ってくれている。

しかし、私の執着がまだ邪魔をしている。
おそらく、私の彼への感謝が足らない。
毎日仕事をしてくれている当たり前のことをに意識を向け、もっともっと感謝する必要がある。

大体の人は、過去のことを後悔し、未来のことに不安を感じている。
しかし、過去のことを悔やんだり、未来に不安を感じたところで、今の現実は変わらない。
それなら、今この瞬間に意識を向け、受けている恩恵に気付き、今この瞬間に感謝すべきではないだろうか。


今年度は、これまで全てを注いできた建築は手放そうと思っている。
と同時に、つまらない執着は捨てよう。と、思った朝だった。

さて、執着は手放す努力を心がけ、今日も今を生きよう。








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