手間暇 2024・12・8
今日は日曜日。今の時刻は5時半。
早朝から小学校の廃品回収に出ないといけないので、
朝の4時からパンを仕込む。
一昨日、種を仕込み、
昨日、種と粉を合わせ仕込んだので、朝一にカゴに入れ、最後の発酵をする。
フランスに修行に行く前、私はパンは焼いたことがなかった。
ズブの素人の私をフランスのパン屋さんは受け入れてくれて、
本場フランスのパンの作り方を教わった。
全てわかったわけではないが、大体の流れと配合やレシピを持ち帰った。
帰国後は通常の業務をこなしながら、試作のパンを試行錯誤しながら繰り返し焼いている。
何度焼いただろうかわからないくらい焼いている。
フランスと同じ配合で粉を合わせるが、湿度の関係か同じようにはいかないので、
日本に合った水加減と発酵時間を微調整しながら試作パンを焼いている。
他のパン屋さんがどのような仕込みをしているのかわからないが、
私が覚えてきたパンは、結構な手間が必要で、
先述したように、種の発酵→生地の発酵→カゴでの発酵と、三回発酵させる。
それぞれ時間は違うし、温度に合わせ時間を変えないといけない。
誰が作っても同じ発酵加減になるようにするには、一定の温度管理が必要なので、
冷蔵庫で発酵させる。冷蔵庫は温度が低いので長時間の発酵になるのが欠点だが、
常温発酵より時間が読みやすく、一定の温度管理で忙しい私には都合が良い。
今のところ、Seigle(ライ麦)とEngrain(一粒小麦)の2種類を焼いているが、
フランスの修行先のパン屋さんの仕上がりと比べても遜色がないパンが焼けるように成長した。
もう少し試作を繰り返し、温度管理と発酵時間を完全に自分のものにしてからリリースする予定だ。
今後の予定は、一粒小麦ならぬ二粒小麦(Amidonnier)の粉で、普通パンと、
フランス直伝のブリオッシュとフォカッチャの試作をする。
ちなみに、二粒小麦というのは、小麦の祖先である一粒小麦が縄文時代くらいの1万年前から栽培されていたが、
二粒小麦もそれと同時期に栽培され、突然変異でできたものとされている。
染色体数は一粒小麦が14本で、二粒小麦が28本だ。
性質は膨らみにくい一粒小麦に比べ二粒小麦は膨らみやすい性質を持つ。
あと、当たり前になって、伝えていなかったが、
先述した、パンの発酵にはとても手間と時間を要するが、
粉を作る段階でもとても手間がかかっている。
小麦粉というものは、粉にした時点で酸化し劣化が始まる。
うちの小麦粉は、粒で仕入れ、パンを捏ねる前に石臼で挽き、
挽いたままの粉は外皮などの粗い部分があるので、細かいメッシュのふるいにかけて、
細かい粉だけをパンに使う。
フランスの修行先でも石臼で挽いたパンを焼いていたので、これに関しては同じことをやっていたので、間違いではなかった。
ただ、一つ違ったのは、先述した、細かいふるいにかけていたことだ。
外皮などを全て入れて焼いたパンを全粒粉のパンというが、
硬くて食べにくくあまり美味しくない。
フランスに行く前は全粒粉で焼いていたが、帰国後はふるいにかけたパンを焼いているので、
ここが大きく変わった点だ。
なので、古代小麦と思えないくらいパンがふっくらしてとても美味い。
建築と同様、こうして、手間暇をかけ愛情を込めることで、気の入った良い商品になっていく。
Seigle・Engrain・Amidonnier・Brioche・Foccacciaこの5種類のパンの試作を重ねリリースする予定なので、
皆さんお楽しみに。
では今日も楽しく行こう♪
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