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万人受け 2024・12・19

朝4時。雨かと思いきや、みぞれのここ宍粟市。
もう少し冷え込めば雪になっていた。少し助かった気分だ。
朝から、最近、定着してきたパンを仕込む。
あと数時間発酵させればオーブンに入れて焼く。

さて、私が今後やっていく事業はといえば、
パン・建築・薪ボイラーの輸入販売・薪ストーブ販売だ。

ふと考えると、

パンはおそらく日本人の多くの方が好む、甘い菓子パンとか惣菜パンではなく、
私が作るパンは固いパンだ。おやつ代わりに食べるものではなく、主食に向いている。
なので、多くの方に好まれるパンではない。

建築はというと、早く安くできる今の建築とは違い、墨をつけ刻む、昔ながらの手間の掛かる工法で、
しかも、建築の中では最高峰と胸を張れる建築方法の「石場建て」だが、
法的に建てにくいのと現代の人には理解が進まず一般的に言えば、
多くの方が支持する建築方法方法ではない。

薪ボイラーで言うと、セントラルヒーティングという、熱源を一箇所に集中させ、そこから家にお湯を送り、
家全体を暖めるという欧州では一般的な暖房方法だ。とても暖かい。
しかし、日本では全然馴染みがなく、日本人の暖房の選択肢にも上がらない。

このように、私がやろうとする事業は「万人受け」する事ではない。

しかし、なぜそれをするのか?と聞かれたら、
ただ単に「それをやりたいから」。
そして、それらをやることによって、それに関わった人や周りのことが「よくなる」ことが基本と考えている。

パンで言うと、病気の多い現代、その病気は小麦と油と砂糖に由来している場合が多い。
なので、グルテンが圧倒的に少ない古代小麦を使い、
砂糖や油を使わないシンプルで小麦の風味を感じられるパンを焼いている。
小麦が悪いと叫ばれる昨今、グルテンが気になる方でも安心して食べられるパンを提供したい気持ちで、
食物繊維の多い古代小麦しか使わずパンを焼くことを決めた。
簡単に言えば、健康になれるパン作りだ。

建築はというと、ここ日本は世界的に言ってもとても過酷な地で、
寒さ暑さがありしかも高湿度、台風も多いし、極め付けは地震が多い。
こんな過酷な地で長持ちさせる建築は「石場建て」しかない。と言い切れるほど、素晴らしい建築だ。
あと、家が役目を果たした後は、全て再生可能、もしくは、自然に還る素材でできている。
自然素材なので家の中の空気もよく体に良い。
つまり、安心して、健康的で、環境にやさしい古来の日本人が長年が育んできた建築方法なのだ。

薪ボイラーで言うと、セントラルヒーティングは家全体を暖めるので、とても快適に過ごせる。
燃料は薪なのだが、薪ボイラーはとても燃料を食う。
人口減少が進む日本は、新築工事よりも解体工事の方が多い。
家を解体する解体屋さんは、家を解体すると処分場にお金を支払って処分している。
解体屋さんに頼めば、タダで材料を持ってきてくれるのである。
私はそこに目をつけ、解体材で暖をとる方法に行き着いたのである。

かつての日本は木が貴重だった。一度使った材は、もう一度再利用したりして大事に使っていた。
しかし、今ではただのゴミになっている。
木は家の材料として活躍し、最後の活躍の場として、薪として使うのが最適だ。
木は乾燥させないと使えないので、解体材はカットだけすればすぐ使いできる優秀な材なのだ。
しかも、昔の家は栗や欅などが使われる場合が多いので、薪としても良材なのだ。
弊社が推奨する、薪ボイラーによるセントラルヒーティングは、解体材ありきの暖房システムなのである。

と、言うように、私の事業全てが意味を持ち、
ただ単に、売れて儲かるからそれを売るのではなく、
「自分がやりたいこと」と「人と世の中がよくなる」ことが目的となっている。

なので、やりたいことと、事業が波に乗り切ることは別問題で、
経済的なことと、自分の理想を両立するのはなかなか難しい。

新たな事業はまだまだ始まったばかり。
自分の理想と経済的な問題の良い塩梅を探り、楽しみながら事業を進めたい。

では、今日も今日しかない今日を楽しんでいこう。




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