大晦日 2024・12・31
大晦日。今年最終日。
今日も朝からパンを捏ねた。
昨日で今年のパン作りは終える予定だったが、
Epeautreの出来がどうしても納得のいかなかったので、もう一度調整したかったので、
今日記事を仕込み、元旦に焼く予定だ。
昨日は、今焼ける全種類のパンを焼いた。
前述したように、納得のいかないパンはあったが、
今の技術的にはまあまあの出来だった。
Engrain(一粒小麦):こののパンは、12000年前に人類が初めて作った穀物で遺伝子操作を全くされていない超古代種。
帰国当初駄作を繰り返した。
Engrainのグルテン量は3.9%ほどで、現代のパン小麦の14%くらいに比べ、3.5分の1のグルテン量だ。
遺伝子操作がされていないのでグルテンが少ない。すなわち、パンが全然膨らまない。
しかし、駄作を何度も作ったが、水分量と醗酵時間など調整に調整を重ね、
ようやく、高さのあるパンが焼けるようになった。
このパンは木の実のような香ばしさがあり、小麦の風味を楽しめるパンだ。
Seigle(ライ麦):このパンもやはりグルテン量が少ない。これも駄作を繰り返したが、
Engrain同様に大きな膨らみに焼けるように成長した。
捏ねた感覚だが、Engrainよりも粘りがないので、グルテンは極端に少ない。
パンを食べたいがグルテンが気になる方に食べて頂きたいパンだ。
これは、少し甘いジャム系のものと合わせて食べるのがおすすめだ。
もちろん、風味も良いのでそのままでも美味しい。
ブリオッシュ:14世紀から作られたフランス伝統の柔らかいリッチテイストのパン。
しっとりとした食感で甘みは控えめ。
フランス修行で何度も作った思い出深いパン。
シンプルなパンしか作らないと決めてたが、どうしても修行先のブリオッシュを再現したいと思い焼き始めた。
フランスで何度も繰り返したので、初回から完成度の高いブリオッシュが焼けた。
私の中でも、このパンが一番フランスのパン屋さんの再現度が高いパンだ。
Epeautre(スペルト小麦):このパンが一番思い通りにならないパン。
右上2個は温度設定間違いで焼き過ぎの失敗作。
約5000年以上前から栽培されていると言われる古代種。
外皮が硬いので病害虫に強く、オーガニックの栽培に適している。
古代種だがグルテン量は多く、私的には嗜好品のパンに属している。
そんなこんなで、パンを焼く日々は続いているが、
去年9月に、頭の右ななめ45度、30センチ離れたところに「パン」が降りてきて以降、すぐにパンを焼き始めた。
あれから考えると随分と知識や経験が増え、最初と比べると圧倒的に完成度は高くなった。
年明けからは販売を見据えて価格設定などをしていこうかと考えている。
さて、今年の私は、本業である建築は若い大工さんに任せ、パンと向き合うことが多い一年だった。
来春以降は大工さんが独立するので、ここ何年来ぶりに一人の活動になる。
一人で建築とパンをどこまで回せるかわからないが、今、少しづつスイッチを入れているところである。
一人の活動になることで、若干の不安はあるが、何年も仕事を共にした大工さんがいなくなることで、
運気が大きく変わりそうな気がしていて、不安よりもどちらかというと、
建築とパンを両立させる未知の領域と,運気が変わることで新たな出会いがありそうな予感があり、
ワクワクの方が大きいような気がする。
今現在でも、したくない建築は受け付けていないが、来年はそれにも増して、
仕事を選んでいく年になりそうだ。
仕事を選ぶというよりも、同じ想いを持った方のお手伝いができたらと考えている。
今年行ったヨーロッパでは言葉は違えど、心の繋がり理解した旅だった。
来年は今年よりも、「心」を意識し、心ある方と繋れる一年にしたい。
では、2024年の最終日。
今日しかない今日を楽しんでいこう。
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