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古民家① 2025・1・6

朝から雨模様のここ宍粟市。
安定の4時に起き、朝一から、昨日仕込んだビーガンブリオッシュを焼いた。
想像以上に上手く焼けたが、オーブンに入れる前にクープを入れ忘れ、少し失敗。
あとで、試食をするのが楽しみである。
他のパンは只今二次発酵中である。

さて、建築屋のブログなのに建築の話題が少ない私のブログだが、
久々に建築の話題。

昨日はおとといに引き続き、古民家の2案目のプランニング。
家の強度・使い勝手と動線・家相の鬼門裏鬼門を見ながら、制限された範囲で間取りを当てはめていく。
この全部を満たしながら、お客さんの要望を満たしながら、頭で考え、図面に落とし込んでいく。
考える作業は実に面白い。考えていると時間を忘れ、考えたことを図面化する作業もまた楽しい。

実務のこなせて経験豊富だし、図面が描ける私にはピッタリの仕事だと思っている。

さて、古民家の改修図面を描いていて思うこと。
最近やたらに古民家古民家と言われるようになった。

なぜ、古民家が良いのかを今日は軽く掘り下げてみよう。

そもそも、古民家は良いのか?悪いのか?
その答えは、良くもあるし、悪くもある。
その建物の状況によって異なるので、一概に言えない。

まず、古民家の良い場合を述べてみよう。
私の古民家の定義は、もちろん伝統構法であること。
と言っても、伝統構法に定義はなく、私なりに定義づけをするなら、
一番大きな要素は、「石場建て」であることだ。

古民家の場合、コンクリート基礎の家ではない。
コンクリート基礎をしている時点でそもそも古民家ではないと私は考えていて、
ポルトランドセメントが発明されたのが1824年で、歴史は200年にはなるが、
日本で初めて使われたポルトランドセメントの建物は1875年。
日本でポルトランドセメントを使って家の基礎に使われたのは、1925年ごろだとされている。
となると、一般的に普及したのは、古くても70年ほど前だろうか。
そう考えると、60年70年前の建物は古民家ではないというのが私の見解だ。

コンクリート基礎に乗っているだけで、家の耐用年数はグッと短くなる。
なぜなら、コンクリートには中性加速度というものがあり、
コンクリートが中性を保つことができる年数である。
コンクリート中の鉄筋はアルカリ性のコンクリートに守られているために錆びない。
この中性化がなくなると錆始める。錆びた鉄筋は膨張し、膨張することでコンクリートを割ってしまうのだ。
割れることでコンクリートの崩壊は始まる。
水セメント比が60%なら耐用年数は60年で、
50%なら240年にまで寿命は延びる。
すなわちコンクリートは、密度や水セメント比で中性加速度の進行が遅いということだ。

なので、古民家の場合、コンクリートがないので、中性加速度もなにも関係がない。
古民家は大きな礎石の上に柱が載っているので、
礎石が沈下、もしくは礎石が動かない限り建物は定常な状態を保っている。
そして、腐らない限り、材木の耐用年数まで建ち続けるだろう。
ちなみに、赤身の桧柱を使えば200年は楽勝に持ちこたえる。

万が一、柱脚が腐っていたとしても、「根継ぎ」の方法で直すことができる。
この根継ぎができるというのも、古民家の特徴の大きな一つで、
基礎コンクリートに土台が乗り、土台に柱が立っている場合、
土台が腐ってしまうと、横たわった材料を取り替えようがないが、
石場建ての場合、足固や大引きを取りさえすれば、根継ぎができるわけだ。

立っている柱に加工をする
根継ぎされた柱

今日は石場建てと根継ぎを紹介したが、今日は時間がないので描ききれないので、
続きはまた明日書くことにする。

さて、今から、2次発酵中のパンを焼いてくるとしよう。

正月明けの月曜日。
では、今日も今日しかない今日を楽しんでいこう。

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