古民家② 2025・1・7
朝からビオレッティで淹れたコーヒーを飲む。
コロンビアの深煎りの豆をエスプレッソのように濃く淹れたコーヒーの後味の余韻がたまらなく美味い。
セルビアで飲んだエスプレッソを思い出してしまう朝だ。
さて今日は、昨日の古民家の続き。
石場建ての家の場合、基礎を回している家とは違い、
柱脚をフリーにすることで、改修が容易に可能である為、建物の耐用年数を格段に延ばすことができるのである。
なので、古民家の一番の良いところは石場建てで根継ぎができるところが一番の利点である。
しかし、古民家は石場建てだが、そもそも、家としては強いのだろうか?
実は答えはNoだ。
これまでの私の経験上、古民家の石場建ては足固めが入っていないケースが多い。
多いというか、私が手がけた古民家は全て足固めがなかった。
足固めというのは写真で赤で示している部材で、
古民家の場合、床を支えるだけの部材として扱われている場合が多く、
文字通り柱の足を固める部材なのか、大引きで床を支える部材なのかで、大きく意味合いが違ってくるのである。
足固めの正のサイズは柱の3倍、高さは足固めの下端から柱の3倍離すとされていて、
現代的な力学計算が使われている。
伝統構法の一番の特徴といえば?何だかわかる方はいるだろうか?
多分、一般の方ではわかる方はほぼ居ないと思う。
現役の大工さんでも十中八九わかる方は居ない。
答えはと言うと、柱だ。
日本の伝統的な建物といえば、「柱の建築」なのだ。
写真のように柱に水平部材が差さることによって建物は強度を増す。
その部材が増えれば増えるほどさらに強度は増すのである。
西欧の近代的な建て方になって以降、「柱の建築」から「壁の建築」になってしまったのだ。
それを理解していない建築屋が多すぎて、最近では古民家がもてはやされ「なんちゃって古民家再生」が横行するのである。
話がそれたが、昔の大工は凄いというが、この足固めの考え方に関する点は現代の方が優っていて、
現在建っている古民家が一概に良いとは言えない点である。
あと、古民家が良いのは、購入価格の安さと、購入した後の固定資産税が安いところだろうか。
ただ、気をつけないといけないのが、安く購入したが、改修費用は家によって違うが、
新築を建てるほど費用が掛かる場合があるので、注意が必要だ。
古民家の欠点といえば、やはり、
・足元・屋根が傷んでいる
・家がデカすぎる
・改修費用が掛かりすぎる
・前の住民の残置物が多い
などがあるが、
最近もてはやされる古民家だが、素人の「見立て」で軽々しく購入したら痛い目に合うことがある。
一例だが、私の知り合いはデカい古民家を購入し、京都から町屋の大工を呼び寄せ、
見積りせず、解体し一階部分をガランドウにし、相当な工事費を払って、柱の根継ぎや足固を入れたが、
工事費が足らなくなり工事はストップ。
親に泣きつき工事費を工面するも、外壁を張った時点で工事はまたストップし、
今でも内部はガランドウのまま止まったままで動かなくなった。
これは、施主の計画性がないのと、工事をする大工もきちんと工事にかかる前に
「見立て」をしアドバイスをしてやらないといけない。
なので、古民家を購入する前は、DIYにしろ、建築業者が直すにしろ、
然るべき人が然るべき判断をして購入するのをお勧めする。
私が思う古民家というのは、ただ単に古い古民家が良いのではなく、
古民家となり得る要素を持ち合わせた家が良いのであって、
そのためにはやはり「見立て」が絶対必要なのである。
ただ、分かっている本職も少ないので、その見立てができる人を探し出すにも至難の業かもしれない。
さてさて、昨日は各種のパンを焼いた。
昨日お伝えした、ビーガンブリオッシュは食感が少し微妙なので、改良に時間が必要になりそうだ、
と、思っていたが、一日熟成することで食感が激変した。これは美味い。
本物のブリオッシュと比べても遜色ない出来だ。試作にしては上出来だ。
あとは、もう少し試し焼きを繰り返し、ビジュアルや味の精度を高めたい。
本家直伝のブリオッシュはというと、
バターや卵、牛乳はもちろんオーガニックで全ての材料を吟味し、最高級ブリオッシュを計画する。
ビーガンブリオッシュと高級ブリオッシュの二本仕立てでリリースを検討する。
フランス仕込みのEngrainは安定的に焼けるようになったので嬉しい。
先日お伝えしたフランスの修行先のサロメちゃんも無事に日本に入り、今は奈良に居るみたいだ。
さて、昨日は改修工事の図面もお客様に提出できたので、
今日は囲炉裏工事の現場に伺う予定だ。
では、今日も今日しかない今日を楽しんでいこう。
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