商売 2025・1・10
3時半からパンをこねる。
初めてKamutを2次発酵。フランスと全く同じ水分量で仕込むも、やはり、同じ水分量ではまとまらずうまくいかない。
やはり、日本の湿度だろうか。水分量を微調整しながら何回か焼かないと自分のものにはならない。
今回のフランスのパン修行では、焼く以外は一通り体験させて頂き、
フランスのパン屋さんのレシピは全て持ち帰った。
その時は、まだ有り難みを感じなかったが、
こうして、新たな粉を使う度、レシピがある事に改めて感謝する。
本来なら粉の配合から塩加減、水加減、焼き加減を全て自分で試行錯誤しながらすべきところ。
なぜ、有り難みがわかるのかと言うと、
私は弟子の時代は経験してきたものの、
伝統建築の場合、誰に教えてもらうのではなく、自分で研究し、何度も失敗を重ね、
自分で試行錯誤しながらここまできた。
なので、細かな微調整は必要だが、レシピがあることで、フランスと同じようなパンを焼くことができる。
何処の馬の骨かわからない、日本から来たやつに、自分が苦労したレシピを見せてくれる、
オーナーのローランドには感謝でしかない。
この感謝は、またいつか返そうと思っている。
さて、今日は十日戎。
商売の神様だが、
私の仕事も全て商売が絡んでいる。
以前の私は、商売人と言えば、腹黒いような悪いイメージがあり、
根っからの職人の私は商売人というフレーズが好きではなかった。
ある時、近江商人の「三方よし」という言葉を聞いてから、イメージが変わった。
三方よしとは、「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の売り手と買い手双方がが満足して取引をし、
さらに地域社会や世間に対して良い影響を与える商売のやり方を、三方よしという。
例えば、環境に優しい商品開発や、フェアトレードや地域密着のビジネスも三方よしの理念に沿っている。
売り手だけが良い思いをして儲けて、買い手を泣かしていてはいけないし、
また逆も然り、買い手だけが徳をして、売り手が泣いていてはいけない。
伝統構法はまさに三方よしの理念に沿っていて、
売り手は、大工冥利に尽きる仕事を提供できるし、
買い手は、健康的に長い間、安心して家を使うことができ、
世間は、後の世代にゴミを残さない建築なのでエコなのである。
知っている方もいると思うが、この「三方よし」から、会社の名前である、
フランス語troisすなわち3からtroisprojet=トロワプロジェクトと名付けたのである。
私の商売の場合、利益優先ではなく、
自分がしたいことと、お客さんが喜んでくれる事、環境に優しいことを優先に考え行動している。
利益は後でついてくると考えている。
会社はまだまだ、利益がなく潤っていないが、この気持ちを変える事なく、
今後も精進していきたいと、商売のお祭りがある十日戎の日に思うのであった。
では、今日は全国的に強い冬型でとても寒いが、
今日も今日しかない今日を楽しんでいこう。
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