心の向き 2025・2・20

朝3時半から週末の段取りでルバン種をこね、玄麦を石臼で挽き、ふるいにかける。
ひと仕事を終え、事務所へと急ぐ。
極寒の宍粟市。移動中の路面はツルツルテカテカ。
昨日の朝降った雪が日中に解け、それが冷え込み路面が凍てつく。
冬の運転、凍てついた路面が一番怖い。
事務所へ戻ると、着替えて、いつものビアレッティでコーヒーを淹れる。
先日、これまで使っていた、モカエクスプレスは悲しいことに空焚きしてしまい、お釈迦になってしまった。
いつものコーヒーが飲めなくなるのは寂しいので、早急に購入した。
次はこれ。

ビアレッティのブリッカだ。
これはブリッカの最新バージョン。
去年のヨーロッパの渡航でエスプレッソにハマった私。
エスプレッソを飲むには、エスプレッソマシーンが必要で、個人でそんな機械は購入できないので、
帰国後に検索すると、本格エスプレッソではないものの、それにやや近いコーヒーが飲めるということで購入した。
本格的なエスプレッソマシーンは9気圧でコーヒーを抽出するのに対し、
これまで使っていた、ビアレッティのモカエクスプレスは、1気圧で抽出する。
今回購入した、ビアレッティのブリッカは3気圧で抽出するので、エスプレッソ独特のクレマも若干は立つ。
これにて、朝の心の安定はまた手に入ったのである。
さて、最近の私の心は、建築からパンに移行している。
頭の中が建築の段取りとパンの段取りで、脳が慌ただしく働く。
よく人から、建築の腕があるのに勿体無いと言われるが、私自体、全くそんなことは思っていない。
建築の見聞は底なしに深い。その深い建築の最高峰である、伝統構法・石場建ての工法の最深部まで到達し、
自分のスタイルを築き上げたと自負している。
今考えれば、相当な努力をしてきた。
なので、そこまでしてきたのだから、あまり未練はない。
むしろ、建築を入り口にしていたからこそのパン屋の景色が見えるわけで、
パン屋が入り口のパン屋ではない。
建築の最深部にまで色々と研究し入り込んだ、大工がパンを焼くとは、日本中探してもいないだろうな。
私は、ただ単にパン屋をしたいわけではない。
安全に健康的に食べれることはもちろんだが、
景色に溶け込んだパン屋を作りたい。
生まれ育ったここ宍粟市一宮町で。
まずは、場所の選定をしないといけないが、なかなかピンとくるような場所が見当たらない。
思考していれば、何かご縁のある場所が出て来てくれると信じている。
先ずは、私が焼いたパンを多くの方に味わって頂きたいので、
春からは、自宅の玄関先をとりあえずの仮店舗としてオープンし、
その傍ら景色に馴染むパン屋を作り上げていきたいと考えている。
今はまだ、週末に一回だけ焼くパン屋だが、見ている夢は大きい。
古代小麦の波動パン。
今週の注文は週明けの火曜日で許容量を超えたので早々に打ち切った。
ありがたいことに、出足は好調だ。
作っているものが自信を持てるものを作っているので、人気になるのも時間の問題だと思っている。
あとは、買っていただけるお客さんを大事にし、心を込めて安心安全なパンを提供していきたい。
29年間していた建築も春にはひと段落。
私の心の向きはパン一色。心の向く方向にコマを進めたい。
さて、残り時間の少ない建築業。春までのラストスパートの建築の仕事も楽しみたい。
では、今日も今日しかない今日を楽しんでいこう。
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