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伝統構法の大工 2021/11/23

昨日の宍粟市は寒い雨。これから一雨ごとに寒くなるようだ。


さて、大工一言でと言っても、ピンからキリまである。
ツーバイフォー・在来工法・加型枠大工・宮大工・船大工・マンション大工と様々。
私はその中でも難易度とリスクが高い伝統構法の大工だ。
プレカットと言われる機械が木を刻む方法が20年以上前から主流になって以降、大工という職業が軽視されるようになり、ただの作業員レベルに引き下がった気がする。
そもそも大工さんと言えば、家を造るうえでは下職の動きを采配する重要な職業で、昔で言えば村の相談役のような立ち位置だったようだ。
近年、建築士や現場監督などに派生し、大工の地位が下がってしまった。
なぜ、こうなってしまったかというと、やはり大きいのはプレカットに頼り切ってしまった事が、自分たちの仕事を自ら手放してしまった事が大きな原因で、一言で言えば、ひと昔前の大工の怠慢だ。

でも、ウチではプレカットは死んでもしないようにしている。
なぜなら、圧倒的に質が悪いからだ。

伝統構法の大工と言えば、自身で墨をつけ刻む、上棟で致命的な間違えがあれば一発退場だ。まさに自分との戦いで、そのスリルとプレッシャーと戦いながら墨をつけるわけだが、上棟時にはそれから解き放たれ無事に上棟した時の気持ちは、なんとも言えない高揚感と、到底登れないような高い山に登ったかのような達成感が得られる。

あと、伝統構法と言えば、水平部材を柱に差していくのだが、足固め、差し鴨居、貫などで組み込まれた建物を前にしたら、圧倒的な安定感でこの仕事をやっている、自信と誇りがこみあげてくる。
好きこそ物の上手なりというが、私はこの仕事が好きで好きで仕方がない。
だから、この先も進化をしていくつもりだ。

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