作り物　　2023/7/2

梅雨らしい不安定な天候が続く。
今日は久々一日中に晴れる予報。
日曜の今日も、次々と湧くように出てくる仕事に追われている。
忙しくて大変だが、人に頼りにされるというのは本当に有難い話だ。

さて、先日はお客さんに依頼され、ある箱を作った。
一言で箱と言えど、奥がかなり深くピンからキリまである。
板を切って隅々に釘を打ち底板を入れれば箱が出来上がるが、それも箱だ。

しかし、今回作ったのはそんなに簡単ではなく、
釘を使わずに組み上げた箱だ。

一般的に大工さんは建物を作るのに長けているが、
触っているものが建物と言う事で、やはり荒っぽさはある。

しかし、私の場合、細かな性格なので細かな仕事でも、
荒っぽい仕事でもどちらでもこなせる、オールマイティな大工だ。

さて、どんな箱を作ったかと言うと、
「麹箱」だ。麹箱とは麹を醗酵させる為の箱。

麹箱は12個作った。
四方を蟻で組んでいるのでなかなかの手間が掛かったが、
並べてみれば何か美しい。

使用材料はお客さん支給の「新月伐採」された材だ。
新月伐採とは、日本では良い木材を得るには「木が眠っている」時に伐採するのが当たり前だった。
木が眠るとは、春夏の成長期が終わり、長い冬が始まる11月、12月のことで、
つまりこの頃の下弦の月から新月に至る１週間程の期間に伐採された木は、
最高の「新月の木」にると言うことだ。

月のリズムがつくる「新月の木」は、
腐らない、反らない、虫がつかない、火が燃え付かない、室内の空気を浄化すると言うもの。
さらにこの木はエネルギーに満ち溢れているようだ。

蓋も釘は使わず剥ぎ合わせて、反らないように蟻を切っている。

これにて納品完了。
お客さんには喜んで頂けたので良い仕事ができたと思う。

さて、今日は日曜日。
職人さんはお休みだが、
私には基本的に休みはない。
無いと言うよりも、休みと仕事の概念はあまり無くなった。
心臓が動いてる限り動き続ける。

今日は農業に事務作業に、いつもと変わらず忙しい一日になりそうだ。
今日も楽しく暮らそう。