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抽象から具体へ 2021/12/14

大工という仕事は、抽象的なことから具体へ変換することが多い仕事だと思う。
例えば、お客さんから家を建てて欲しいと依頼を頂く、
家と一言で言っても、和風の家、洋風の家があり、
建て方で言っても、伝統構法とか在来工法、ツーバイフォーという具合に。

抽象度の高いものから具体度を上げていくと、チャンクを上げるという。
チャンクとは塊という意味で、抽象度が上がればチャンクが上がり、
具体度が上がればチャンクが下がる。

頂いた依頼は、チャンクを下げながら具体化して、図面に落とし込んで、使う材料を決定する。
またさらに、私から、西川くんや木村くんの大工さんに仕事を引き継ぎ、またその大工さんが、
図面上の抽象的な細部の仕事をチャンクを下げながら決定し具体化していく作業が続くイメージだ。


大工仕事では、素早く綺麗にという作業が要求され、あと、綺麗とか汚いの美的センスも要求される。
例えばホゾをとるとか、具体化された仕事でも、丸鋸を使うのかルーターを使うのかという具合に、
その場の状況判断で綺麗な仕事、素早い仕事が変わってくる。

最初の、お客さんの家を建てて欲しいから始まり、最終的な仕上げに至るまで、
あの手この手を使い、抽象から具体へチャンクを下げる作業が日々続き、
それは、家によって全然違う方向に変わるのだから、
家を建てるという仕事はリスクは伴うが、頭と体と手を使うとても楽しい仕事だ。

大工は馬鹿ではできない。そう、頭をフル回転させながら手と器用に動かす。
頭と手がうまくリンクしてこそ良い大工だということだ。


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