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シュミレーション 2021/12/22

新築工事の仕事は大きく分けて二つある。
それは、墨付け刻みの工事と造作工事だ。
造作工事とは家を建てた後の躯体に対して、床や壁天井を作る工事で、
墨付けとは頭の使い方とか段取りとかが変わってくる。

私は、大工の仕事の花形は墨付けだと思っている。
正直なところ家を建ててからの造作は、仕事が綺麗か汚いか、早いか遅いかだけで、
鑿や鉋が使えれば誰でもできると思っている。

しかし、造作工事を甘く見てはいけない。
工事を進める大工によって、現場の整理整頓や現場の進み具合、仕事の精度は大きく違う。
さて、大きく違うその差はなんなんだろうか?
それは、「逃げ」だ。
例えば、和室の廻り縁ひとつ入れるにしても、
どこから入れてどこで終わるのかの最後の「逃げ」を考えてから工事を進める。
あと、仕口などには隙間を空けておかないといけない「逃げ」もある。
全てのことをキッチリとするのは良いが、要領よく綺麗に納めるのも大工の腕だ。



上手な大工は全ての動きに無駄がない。
その作業をしながら次の動きを常に考え行動している。

あとは、その作業にかかるまでの準備ができているかだ。
例えば、明日にかかる作業の事を前日に頭の中でシュミレーションすることが大事だ。
シュミレーションすることでどんな道具が必要かとか細部の収まりを事前に考えておくことで、
現場での無駄な時間を削減できるし、綺麗な仕事ができる。
シュミレーションもいわゆる大事な段取りのひとつだ。

下手な大工はそれが出来ずに、道具を忘れたり納まりを当日考えたりして、
その日の貴重な時間を消費してしまう。さらに仕事が汚い場合が多い。

良い大工は常に頭をフル回転している。
大工は馬鹿では出来ない職業だ。
良い大工になろうと思えば、経験や勘ももちろん必要だが、やはり頭を鍛えないといけない。



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