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トロワの幹① 

トロワプロジェクトとは?

底冷する寒さも終わりを迎え、
春の暖かさと風を感じる季節に入ってきた。
田んぼに播いた麦も力強く育っている。
春の陽気は、なんだか心地がよく、どこかにふらっと行きたい気分になってくる。
そんな“ふらっと”来られるお客様が、気候が良くなるに連れ増えてきたと感じている。

パン屋をオープンさせ、8ヶ月足らず、
現在はパン屋半分、建築半分の生活を送っているが、
ようやく、パン屋の脳と建築の脳の切り替えがうまくなってきた。



さて、私は、トロワプロジェクト(株)を経営している。

なぜトロワプロジェクトなのかといえば、
フランス語のUn, Deux, Trois ——「3」という意味だ。
近江商人の経営理念である、「三方よし」で

「売り手よし」・「買い手よし」・「世間よし」のこの三つが揃ってこそ良い商売だと言うこと。

当時は薪ストーブを扱っていたので、薪ストーブの発祥の地がフランスだったことを知り、
フランス語の「3」である Trois を社名に重ねた。

業務の柱は、建築・パン・農業。
加えて、材木の販売、セントラルヒーティング設備の輸入販売も行っている。
私の場合、自分だけが儲かればよい、自分だけが良ければよい、という考えはない。
世の中の役に立つことを軸にしながら、三方よしの商売ができたら良いと考えている。

建築(住)の場合でいうと、儲かる儲からないでいえば、
簡単なプレカットで、使いやすい新建材や集成材を使ったほうが、
工期が早く儲けが多い。


しかし、私の場合、伐り旬の木を使い、墨を付け、刻み家を建て、
小舞を掻き、土壁をつけるという、超非効率なやり方で、家を造る。
正直、稼ぎの部分を考えると、全然儲からない。
お客さんの目線になり、永く使えて、使い終えたあとでもゴミが出ない工法を考えると、
やはり、利益だけではなく、時間の中で価値が深まる建築を目指している。

建築に三方よしを当てはめると、

  • 売り手よし=自分に嘘をつかない仕事
  • 買い手よし=長く安心して使えるもの
  • 世間よし=循環し、ゴミを生まない社会

    もちろん会社にとって利益は必要だ。有り余るほどの利益は必要ではなく、
    会社が継続するのための呼吸できるだけの利益で十分だと考えている。

もう一つの事業である、パンも同じだ。
腸内で悪さをするパン小麦によるパン作りではなく、
グルテンが少なく、腸内で溶けやすい、体に負担が少ない小麦粉といえば、やはり、行き着く先は古代小麦である。
この、古代小麦のことに関しては、また後日に述べる事とする。

農業(食)はというと、現在、1町くらいの田んぼを管理していて、
コシヒカリ、緑米(古代米餅米)、あと、麦を少々栽培している。
地域の田んぼを守ること。地域の食物をいただくこと。
それは単なる消費ではなく、自分たちの身体と土地を同時に守ることでもある。


エネルギーにおいては、薪ボイラーによるセントラルヒーティングを採用している。
セントラルヒーティングとは、日本の家は、コタツや灯油ストーブのように、
小さく一部屋づつ暖めるのに対し、熱源を一箇所に集めて、そこから各部屋にパイプやダクトで暖かなお湯や各部屋に空気を送り、家全体を温める方式の、ヨーロッパ式の暖房方式だ。

我が社の場合、薪ボイラーによるセントラルヒーティングを採用し、各部屋にお湯を送ることで、家全体を暖める暖房にしている。
真冬の朝の起き抜けでも、20度くらいなので超快適なのだ。
しかし、快適さも大切だが、最も重要なのは「薪」というエネルギーの在り方だ。

薪といえば、原始的な方法と思われるだろうが、
唯一、「自分で作ることができるエネルギー」なのだ。
私は、建築廃材を解体屋に持ってきてもらい、薪にして利用している。
解体屋に頼めば、無料で材料を持ってきてくれるのだ。

木として育ち、家の材料となり、使い終われば、最後の役目として、
薪になるというのが、無駄のない使い方で理想的なのである。


このようにトロワのすべての事業は、
「三方よし」「生きること」に直結している。

住。

食。

エネルギー。

それらを通して、
本質のある、より良い世の中へ。
私は、効率ではなく、循環を選ぶ。

足るを知り、自立し、時間の中で価値が深まる仕事をする。
それがトロワプロジェクトの軸である。
私の商いは、たぶん変態的だ。
しかし、効率よりも循環を選び、
利益よりも時間の中で深まる価値を選ぶなら、自然とそうなる。


今回は会社のことを書いた。
けれど、この幹から伸びた枝のひとつが、パンである。

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