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無駄のない商売  2022/12/30

いよいよ今年も残すところ二日。
毎日があっという間に過ぎ去ってしまう。
そう考えると一年が経つのも早い。
この調子で行けば、残りの人生も早くすぎるだろうから、うかうかしてられないな。

会社としては昨日で仕事納めだが、今日は作業場の片付けや打ち合わせで、
31日は薪の引き取りやお客さんとの打ち合わせがあり、
やはり年中無休状態。
元旦からは年始から始まる刻み工事の、図面修正や積算修正。
正月気分など微塵もない。
好きなことをやってるのと、お客さんに頼りにされているので、
年中無休でも全く苦ではない。

さて、伐採day二日目。
4本の桧の丸太を切り出し、来年取り掛かる石場建ての車庫の梁になる予定だ。
桁行方向Y軸9m、梁間方向X軸7.6m。
伝統構法の場合、あり落としの仕事はほとんどなくて、
折置にして渡り顎で組んでいくので、
必要な梁の長さは最低でもプラス1mは欲しいところで、と言う事は10mと8.6mは必要だ。

10m材を搬出して運搬するにはウチの装備では難しいので、
Y軸方向は継ぐことにして、X軸方向は継手なしの一本物を使う。
どんな大工の名工が継いだ材よりもやはり一本物が圧倒的に強い。

ただ、9m材をどこかの材木屋に発注すると、
長尺材なので目玉が飛び出るような金額を提示されるだろう。
やはり、ここは百姓大工の腕の見せ所だ。

さて、私たちの山行きの装備といえば、チェーンソーと林内作業車のみで、
大規模林業事業者や森林組合に笑われるような装備なのだ。
しかし、そんな補助金頼りの重機に頼り切っている頭の硬い奴らとは違い、
私たちは軽装備ながら頭を使い搬出する。

末口30センチの丸太だと、0.3×0.3×9m=0.81立米になる。
比重を1:1と仮定すると、
0.81×1000=810kgになる。
810kgの丸太を引きずり出すのは、丸太の設置面の抵抗とかを考えれば容易ではなく、
本当に大変だ。


一本だけで引っ張ってもどうにもならないので、動滑車を使い引き摺り出すのだが、
動かない場合は、滑車を一つづつ増やしていく。
西川氏は頭が切れる男なので、軽装備ながらどんな材でも搬出できている。

一本の桧を切れば、材にもよるが、20mくらいになる。
一番玉9mをとり、二番玉4m、三番玉4mで使えてもここまで。
最後の先っぽの3mくらいは玉切って薪にする。



根本の材になるものは建築材に使い、建築材で使えない物は薪になる。
ウチはこれまでの培った商売で、どちらにも販路があるので、
木の先の先、木の皮まで収入になり、素晴らしく無駄がない。

数十年と育ってきた大切な木の資源を、アホの一つ覚えのように、
市場に出すしか脳のない林業家とは違い、
私たちは自分自身で木に価値をつけることができる。
しかも、日本に蔓延している中抜きもないので、
適正価格でお客さんに届けることができるのだ。

これまでの既存の方法とは違い、新たな山のあり方、建築の仕方がここにある。
建築には時間は掛かるが、お客さんからすれば、どこにも存在しいない、
オンリーワンの住まいで愛着を持った生活ができると信じている。

考え出したら、これからやることがワクワクが止まらない。

ワクワクしながら今年の残り二日の今日も楽しく過ごそう。


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