目 2025・2・23

今日は楽しい週末パン屋。
安定の2時起きで、今は、バッグから取り出した生地をニ次発酵中だ。
ブリオッシュは上手く焼けた。
やはり、高波動水はよく発酵し、生地も元気で喜んでいるよう。
最近は、古民家の改修工事の終えた現場、工事中の現場にお邪魔することがたまにある。
そこで、よく目にするのが、大工の工事した荒を目にしてしまう。
見ないようにしても、どうしても見えてくる。
私は、やはり、これまで建築しかしていないし、仕事のことしか考えずに生きてきた。
車に乗っていても家ばかり見てたし、家の中に入っても、細かなところまで職業がら見てしまう。
そのためか、他の人より、というより、プロの人よりも圧倒的に目が肥えている。
その家の玄関に少し入っただけで、そこの工事をした大工さんの腕が見える。
なので、お邪魔した家では、荒が見えるのだが、
そのレベルが相当低い。
木には使い方とか適材適所ということがあって、
この樹種は床に向いているとか、梁に向いているとか、向き不向きがある。
あと、木には使い方があり、木裏と木表。元と末。があり、
その場所場所に応じた使い方があるのだ。
それを、一般の方が知らないのは当たり前だが、大工が知らない場合が多い。
使い方間違いをよく目にすることがある。
見ないようにしてるけど、一瞬見ただけで、違和感を感じるのだ。
例えば、床材。
床は裸足であるこくとが多く、最近は柔らかい素材の杉を床に使う場合があるが、
使い方を間違えると、その床が凶器になってしまうのだ。
木裏と木表では木の繊維の入り方が違い。
木表は繊維が木の中に入っていて、浮いてこないが、
木裏は、木の繊維が表へ表へ出てきているので、木の繊維が浮出てきやすい。
なので、裸足で歩く場合、木の繊維を起こしてしまい、
足に刺さるケースがある。
少し刺さるくらいなら良いが、勢いよく歩きながら木の浮き出た部分が刺されば、
たまった物ではない。
そうも考えず、レベルの低い大工さんは、木の間違った使い方をしてしまう。
造作でそのレベルなのだから、例えば、墨をして刻むとなると、無理だろうなと思う。
最近の大工さんの腕の劣化が著しい。
このままでは、ただでさえ大工の担い手が少ないのに加え、腕が悪いという最悪の状態に陥っている。
本来の日本の木造建築のレベルは世界でもトップレベルだったが、
それももう昔の話。
今後の、建築の行く末が心配だ。
今では、プレカットが主流の建築。
墨付けも刻みもできない大工がほぼ皆無になる時代は近い。
私が思うに、墨付け刻みができて一人前の大工という感覚だが、
それでいうと、大工呼べる人間がいなくなるのは時間の問題だ。
私はもうパン屋になって引き返す気は全くない。
大工として現場良行くこともないと思う。
しかし、私には経験と腕と勘がある。それは私が死ぬまで残るだろう。
建築業の許可を取られたとしても、腕は残っている。
いつかはわからないが、大工を本気で心から覚えたいという若者がいれば、
教えても良いかな〜って思っている。
今まで、弟子で入ってきた若者はいたが、全員ケツを割ってしまった。
いつか、生え抜きで自分の意思を継ぐ大工を育てたいと思った、
今日の、パンの発酵待ちの時間だった。
さてと、二次発酵中のEngrainが発酵したようだ。
これから、注文のパンを20個ほど焼こうか。
どんな美しい顔をしたパンが出来るのかが楽しみだ。
これから、たくさんのパンを焼くことになっていくが、
パンを見る目と美的感覚を、大工さんの目のように、日々鍛えていこうとするか。
では、今日も今日しかない今日を楽しんでいこう。
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